嗚呼、オーベルジュへの道

長野県佐久市のホテルおいまつえんCEOwの日記です

私のミッション遍歴w−3

audi tt 3.2 dsg

画像は、グランツーリズモ7より引用しておりますw。これは初期型の1.8のATですね。ドライバー正面のメーターパネル内のすべてのメーターにスプリングが仕込まれていて、イグニッションオフと同時にピコっといってハリがゼロに戻るのが萌えポイントでしたw。

直線と球形を随所に散りばめて、モノトーンで押しまくったこのインテリアはいまだに語り継がれる傑作。2度と出ないだろう、というのはまさにこれ。シルバーに見えるパーツの全てにソリッドアルミが使われているのも特徴です。

視界命のクルマの世界にあって、限界までシェイプされたウインドウグラフィックも空前絶後です。最前列で止まると信号とか見えないんすよね(爆)。

前例のないほどせり上がったドア上縁と雨傘のように頭上にかぶさるように降りてくるルーフラインで構成された空間はそれこそTTのコア。画像からも分かる通り、シートの位置がウィンドウに対して相対的に高く、このあたりにデザインを感じます。

なぜか第2世代以降にはこのクールな意匠が受け継がれずに、フツーのクーペに成り下がったのが悔やまれてなりません。むべなるかな、TTシリーズはつい最近絶版となりました。

あんまり惜しまれなかったのは残念w。ですがたんに商品性のモンダイです。けして時代のせいばかりとは言えないと思います。つまらないクルマ売ってもだあれも買わないってことっす。

フェルディナントピエヒは、ポルシェの社長の座を巡る社内抗争を禁じられて社外に出されてしまい、VWグループの総帥に就任後、今に続くアウディのCIに専念しました。

アウディディーラーに行くと、建物の外観からコーヒーの味まで違うぜ、といって当時騒いだもんですw。例外なく敷地内にあったVWディーラーが色褪せて見えた思い出があるでしょう?

それまではどちらかといえば地味で堅実なドイツセダンという印象だったものが急にプレミヤム色を帯びて、エスシリーズの創設に始まるCIの嵐が吹き荒れたのです。

その嚆矢となったのがTTの存在であったと理解しております。これ以降、さらにRSシリーズやR8のリリースなどもあって、今に至るわけですがこれらにはいちいちピエヒの無念さが滲み出ていたのだ、と感じるのは私だけでしょうかw。実際、TTは公式発表の場でピエヒみずから「打倒911」を宣言したというから、ただ事でわございません。結果はともかく、ねw。

 

商品名DSG。Direct Shift Gearbox。詳細は他をお読みいただくとして、これを積んだ初の量産車がTT3.2だったわけです。長く続いた初代TTのなかでもモデル末期もよいところ。シリーズの最後っぺとしてゴルフR32で培った3.2リッターのV6に秘密兵器DSGの組み合わせはカンフル剤としての効き目抜群。この組み合わせが出現して初めて未来的なボディデザインに内容が追いついたか、という印象を持ちました。それまでのTTは、すっ飛んだボディデザインに古典的なゴルフ4シャーシの組み合わせでしたから、整合が取れた、ということも言えるか。

ツインクラッチ前夜に現れては消えていった数々のロボタイズドクラッチいすゞのNAVI5にはじまりアルファのセレスピードや、フェラーリのF1マチックなどなど数世代の過渡期を経て今に至ります。

最終完成形としてのツインクラッチ時代が到来したのか、と思いきや、使用環境によっては問題が出て引っ込めちゃうメーカーも多数あって、いまだに落ち着いてはおりません。

実用化には成功したし、洗練もされてきてようやく、という段階ですね。

直近だと第4世代のビーエムのMINIが採用してましたっけ。ボリュームセラーのモデルで新規採用される、ってのは心強い限りでございます。